サウンドxイメージとOPEN SPACE 2007
サウンドxイメージは映像と音を使った子どもも(もちろん大人も)楽しめるプログラムです.土曜日に行ってきたのですが,その直前までイベントがいろいろあったらしく,子ども連れの家族がたくさんいました.作品はインタラクティブなメディアアートで,遊びながら作曲やアニメーション作成ができるようなシステムもありました.文化庁メディア芸術祭でよく見かけた作品も多くて目新しい感じは正直なかったのですが,子どもたちがみんな楽しそうに遊んでいる姿を見ると,メディアアートっていいよな,って思います(もちろん自分自身も十分楽しみました).作品は展示作品を見てください.OPEN SPACE 2007 はICCの研究成果の公開なので,作品だけでなくテクノロジーの紹介や,アーカイブなどもあります.それらの一つとして,部屋全体が音の反響を吸収してしまう素材で囲まれている無響室が公開されていたので入ってみました.人間は音の反射で空間の広さを認識しているのですが,無響室では音によって自分の位置を把握できないので不安感や圧迫感を持つのだそうです.確かに,部屋の広さに対して聞こえる音に違和感があって,いままでに経験したことのない音と映像のずれ感が面白いです.あとは Tangible Bits の石井裕の作品を初めて触ったのですが,完成度の高さや面白さはさすがです.その他の展示はこちらから.サウンドxイメージは9/2まで,OPEN SPACE 2007 は 2008年3/9まで開催です.いずれも入場無料.
MELTING POINT
MELTING POINT は 3人のアーティストがそれぞれ,オペラシティのアートギャラリーをそれぞれのインスタレーションの空間として作り上げた展示になっています.入ってすぐの大きなスペースは Jim Lambie によるインスタレーション.カラフルなビニールテープで埋め尽くされた床,カラフルにペンキをぶっかけられた像,その周辺はスプレーでカラフルに彩られている,鍵穴の形をした異世界への入り口,鏡の破片で覆われた椅子が壁にかけられている,その椅子からは鏡の破片で覆われたハンドバッグがぶらさがっている,不思議な世界,カラフルな異世界です.次の部屋はうって変わって真白な部屋,渋谷清道のインスタレーションが始まります.ここでは白いスパイログラフ(spirograph)が主な作品で,角を削って白くて優しい空間に時々飾られた白い文様はなかなかにファンタジーです.天井にさまざまなパターンで幾重にも重ねられたスパイログラフが見える部屋は自然光を取り入れて時間とともに少しずつ異なる色合いでなかなかです.白い部屋を抜けると大きな部屋の半分に宙空につられた白い膜,Ernesto Neto の部屋です.膜は腰の高さと頭の高さに2重に釣られていて,人はその下をくぐって通る必要があります.時々穴があいていて,二重膜の内部を覗いたり,天井を覗くことができます.でも内部を覗くときは天井は見えないし,天井が見えるときは内部を覗くことはできません.天井が見える穴にはいると膜と白い天井しか見えなくて身動きもとれない状態,外の世界は遠くてどちらを向いても同じ景色です.一方で中の様子を見回せばよく見えるのですが,逆に外の様子は全く見えない.自分が現実世界でおかれている景色のようだと思いました.結局のところ膜のうちと外の両方を見渡すのはなかなか難しいです.展示空間では膜の空間を体験している人を横から観察できます.これもなかなか面白いです.3つのワンダーランドを体験する,というコンセプトだと思うのですが体験していろいろと考えることが面白いので,ぜひ体験することをお勧めします.
10/14まで,オペラシティアートギャラリーで開催中
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