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Saturday, August 11, 2007

オペラシティで3つ

ICCのサウンドxイメージ,OPEN SPACE 2007,オペラシティギャラリーのMELTING POINT に 行ってきました.最初の二つは主に日本のメディアアート作品群で MELTING POINT はコンテンポラリーの3人のアーティストによる3つの展示です.
サウンドxイメージとOPEN SPACE 2007
サウンドxイメージは映像と音を使った子どもも(もちろん大人も)楽しめるプログラムです.土曜日に行ってきたのですが,その直前までイベントがいろいろあったらしく,子ども連れの家族がたくさんいました.作品はインタラクティブなメディアアートで,遊びながら作曲やアニメーション作成ができるようなシステムもありました.文化庁メディア芸術祭でよく見かけた作品も多くて目新しい感じは正直なかったのですが,子どもたちがみんな楽しそうに遊んでいる姿を見ると,メディアアートっていいよな,って思います(もちろん自分自身も十分楽しみました).作品は展示作品を見てください.OPEN SPACE 2007 はICCの研究成果の公開なので,作品だけでなくテクノロジーの紹介や,アーカイブなどもあります.それらの一つとして,部屋全体が音の反響を吸収してしまう素材で囲まれている無響室が公開されていたので入ってみました.人間は音の反射で空間の広さを認識しているのですが,無響室では音によって自分の位置を把握できないので不安感や圧迫感を持つのだそうです.確かに,部屋の広さに対して聞こえる音に違和感があって,いままでに経験したことのない音と映像のずれ感が面白いです.あとは Tangible Bits の石井裕の作品を初めて触ったのですが,完成度の高さや面白さはさすがです.その他の展示はこちらから.
サウンドxイメージは9/2まで,OPEN SPACE 2007 は 2008年3/9まで開催です.いずれも入場無料.

MELTING POINT
MELTING POINT は 3人のアーティストがそれぞれ,オペラシティのアートギャラリーをそれぞれのインスタレーションの空間として作り上げた展示になっています.入ってすぐの大きなスペースは Jim Lambie によるインスタレーション.カラフルなビニールテープで埋め尽くされた床,カラフルにペンキをぶっかけられた像,その周辺はスプレーでカラフルに彩られている,鍵穴の形をした異世界への入り口,鏡の破片で覆われた椅子が壁にかけられている,その椅子からは鏡の破片で覆われたハンドバッグがぶらさがっている,不思議な世界,カラフルな異世界です.次の部屋はうって変わって真白な部屋,渋谷清道のインスタレーションが始まります.ここでは白いスパイログラフ(spirograph)が主な作品で,角を削って白くて優しい空間に時々飾られた白い文様はなかなかにファンタジーです.天井にさまざまなパターンで幾重にも重ねられたスパイログラフが見える部屋は自然光を取り入れて時間とともに少しずつ異なる色合いでなかなかです.白い部屋を抜けると大きな部屋の半分に宙空につられた白い膜,Ernesto Neto の部屋です.膜は腰の高さと頭の高さに2重に釣られていて,人はその下をくぐって通る必要があります.時々穴があいていて,二重膜の内部を覗いたり,天井を覗くことができます.でも内部を覗くときは天井は見えないし,天井が見えるときは内部を覗くことはできません.天井が見える穴にはいると膜と白い天井しか見えなくて身動きもとれない状態,外の世界は遠くてどちらを向いても同じ景色です.一方で中の様子を見回せばよく見えるのですが,逆に外の様子は全く見えない.自分が現実世界でおかれている景色のようだと思いました.結局のところ膜のうちと外の両方を見渡すのはなかなか難しいです.展示空間では膜の空間を体験している人を横から観察できます.これもなかなか面白いです.
3つのワンダーランドを体験する,というコンセプトだと思うのですが体験していろいろと考えることが面白いので,ぜひ体験することをお勧めします.
10/14まで,オペラシティアートギャラリーで開催中

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Tuesday, August 07, 2007

青森県立美術館 変革の時 60年代を中心に

ねぷた祭り期間中に青森県立美術館に行ってきました.
注目の常設展を見ました.奈良美智が好きなので楽しみにしてましたが,期待以上によかったです.シャガールのアレコ,寺山修司,考現学,津軽じょんがらも.ここに一覧があります.
奈良美智の展示は,原美術館にもあったような部屋や,お花畑でうつぶせに寝ている女の子たち,そしてあおもり犬のインスタレーションが特に.部屋には奈良風な女の子の絵が壁にぺたぺた貼ってあって,机があって,本が並べられて,小物がいっぱい飾ってあります.本人が好きなものに違いないです.そういえば,黒田硫黄の漫画もあった.あおもり犬は残念ながら写真を撮ることができないのですが,なぜか後ろ姿の写真を撮りました.
シャガールのアレコは,常設展エリアの一番最初にある巨大な部屋の三面に飾られています.劇の背景に使われたものだからとても大きくて,約15mx9m くらい.第1幕,第2幕,第4幕で利用された背景だったのだそうですが実際の劇を見てみたい.
寺山修司の部屋は,四角い部屋の三面に寺山修司の映像作品が投影されていました.部屋の天井が高くて投影している壁の上部は広く空間があって,そこに寺山修司の短歌が.有名な「マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや」の文字パネルが飾ってあります.部屋に入って上から下まで見回して体験する展示でした.
常設展のジャンルは様々ですが,展示数は多くアレコ以外はなにかしら青森に関連しています.奈良美智人気で集客は結構ありそうと思うのですが,地方美術館として地元の人々の支援を得つつ運営が存続することを陰ながら応援します.


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Sunday, June 24, 2007

MUSEUM OF TRAVEL CAMP-7 ミュージアムビジネスの可能性を考える

MUSEUM OF TRABVEL(略してMOT) という組織が主催するキャンプ というイベントに参加してきました.キャンプでは社会学や美術,建築や都市研究等分野の若い研究者や社会人の講演と参加者のディスカッションがメインなイベントです.今回で7回目のイベントで過去のイベントのテーマをみると結構幅広くて興味深いです.MOTのwebではこのように紹介されています.
MOTのプロジェクトのテーマは「違った見方との出会い」です。
旅に出て、日常から遠ざかるにつれ、普段の自分にとってありふれたものが、
まるで初めて見るもののように見えてくる、
そんな経験を誰もが一度はしたことがあるのではないでしょうか。

MOTではミュージアムをツールとして、
展示だけではなくイベント、パーティー、ショップ、カフェなど
様々な角度から「違った見方との出会い」の提示を試みます。
(MOTのWEBより引用)
今回は,インディペンデントキュレータをしながら某印刷会社で美術館などのイベント事業に関わっている内山悠一さんがニューヨークでの留学経験をもとにミュージアムビジネスの現状について講演されました.MOMAMetPublic Art Fund, Creative Time, Flux Factory などNYの美術館や財団,NPOの紹介と各組織の資金調達方法,日本の美術館運営の現状と事例紹介など.アート・マネジメント系の本でよく語られる日米の美術館の運営方法,資金源の違いやファンドレージングなどなどを,NYでの最新情報を交えて話が聞けるというのはとても良かったです.
日本の場合は美術館の収入は入場料と地方自治体からの交付金に頼りがちになってしまうので,人気のあるコンテンツしか展示ができないというような話とか,AANでも一つの大きな問題としてとらえている日本のアートNPOのファンドレージングについての問題を参加者で共有し議論できる,というのは意義がありました.
ところで,セッション後の懇親会でMOTの鈴木さん(ロシアの視覚芸術の研究で博士課程在籍中)とAANの嘉藤さんがタルコフスキーの映画について熱く語っていたのが印象的.MOTが標榜する「違った見方との出会い」というのがいろんな側面で体験できてかなり満足でした.

ところで,MOTのメンバーがおすすめについて語る reviews はこちらもかなりマニアックで思わず読みすすめてしまいます.

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Monday, June 11, 2007

Chocolate @ 21_21 DESIGN SIGHT

吉野さんのお誘いで21_21 DESIGN SIGHT のチョコレート展に行ってきました.21_21 DESIGN SIGHT は 「デザインのためのリサーチセンター」ということで,ミュージアムとは少しおもむきが異なっています.安藤忠雄による建物は地上一階と地下一階の二階建てで,外からは大きな屋根が見えています.真ん中が天井のない空間になっていて,今回の展示ではチョコレートのアスファルトで塗り固められていました.
チョコレート展は深澤直人ディレクションの企画展で,誰もが大好きなチョコレートを題材に,チョコレートから世界を見てみようというものです.展示は,チョコレートをモチーフにしたデザインやチョコレートでできたオブジェ,パラドキシカルなものから直球なものまでいろいろ.チョコレートはやっぱりみんなが好きなものだから遊びの要素が大きくて,リラックスして楽しく見るという雰囲気.デザインが主体なので,森永や不二家,その他食品メーカーとの協同作品も多数ありました.そんな中印象的なのは,James Mollison の "Cacao Pickers"という数少ないシリアスな写真作品.カカオの栽培に従事するコートジボワールの人々の写真を大きなパネルで展示したもので,チョコレートは高価すぎて買うこともできないのだというコメントが印象的.あとは岩井俊雄のモルフォチョコ.巨大なチョコレートが高速回転していて,上からプロジェクターで投影された像によって残像が発生し,固形のチョコがグニャグニャに歪んでいくように見えるのがびっくりします.チョコレートの可塑的な特徴を捉えて表現しているのでしょうか.そういえば,いただいたチョコレートは家に帰ったら溶けてぺちゃんこになっていました.

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Monday, May 28, 2007

<生きる>展@横須賀美術館

2007年4月にオープンしたばかりの横須賀美術館に行ってきました.
横須賀美術館は観音崎の海が目の前に広がる最高のロケーションにあります.美術館の設計は山本理顕です.美術館の目の前はなだらかな芝生の坂,坂の向こうは道路をわたって海です.美術館の外観はほぼガラスで覆われていて,正面はレストランとミュージアムショップに占められています.レストラン Aqua Mare は 広尾にあるAqua Pazzaというお店の系列店だそうです.美術館は地下と地上の2階建てで,天井や横壁等さまざまなところから光が差し込む窓のある明るく開放的な空間です.展示は3つあって,4月27日のオープニングからやっている企画展の<生きる>展 (現代作家9人のリアリティ),所蔵作品を中心とした「近代日本美術を俯瞰する」展,そして谷内六郎(週刊新潮 表紙絵)展 です.

<生きる展>で印象的だったのは,まず石田尚志の手書きアニメーション"部屋/形態",かなり見入ってしまいました.実際に大学時代に住んでいた部屋をペンキで塗り一コマずつ撮影して,窓から入る光の移り変わりとともに部屋の中の宇宙が変遷する様子を表現しています.あまりにも気に入ったので,DVDお買い上げの予定です.石内都の写真 "INNOCENCE" は痛々しい手術痕を写真に収めています.なんとなく直視しにくい光景も写真になると正面から向き合うというのが新鮮でした.トらやんなどで有名なやのべけんじ"ミッキー・ザ・ナイト" はディズニーから制作を依頼されて作ったものの,趣向が合わないのでディズニーに断られたという作品.戦国時代の甲冑を着てねずみの兜をした像です.舟越圭の彫刻は大理石の目玉の美しさ,顔の美しさ,両性具有,妊婦,変なところから生えた手,メルヘンです.真島直子"密林の女"はリボンや花や毛糸などで飾り立てた倒錯感のあるトルソーで,何か臭いそうで好きです.そして,木村太陽"Big Mistake/Head-turner",これは衝撃的こわさです.人の形としては結構デフォルメしているはずなんですが,髪の毛の乱れ具合やポージングや体型がやけにリアルというか本物っぽい.その本物っぽさがいつ動き出すともしれない緊張感と相俟って非常にこわい作品に仕上がっています.森美術館の「笑い展」でも木村太陽の作品は見ましたが,明るいユーモアではなくブラックというかダークなユーモア,かなり鋭いセンスだと思います.
総括するとどのへんが<生きる>なのかと思うこともありますが,人間のあらゆる活動が生きることだと考えればなんの矛盾もありません.

なにより横須賀美術館のロケーションの素晴らしさ,開放的できれいな美術館,向かいには温泉施設,海に面して夜はかなり雰囲気の良さそうなレストランとアートな日帰り旅行には最適.


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Sunday, May 27, 2007

マルレーネ・デュマス ブロークン・ホワイト

昔の人がそうしたように,絵画によって人の感性を揺さぶろうとするのがこの人が絵を書く理由の一つだそうだ.ほとんどの絵は顔面かバストアップ,あるいは裸の全身像で常に人物が描かれている.笑顔は皆無で,アルカイックスマイルがせいぜい,あとは思慮に沈んでぼんやりしていたり,遠くを見て少ししかめていたり,つくらない表情がほとんど.写実的ではなく,顔形は適当だったり,顔のパーツはデフォルメされていたりする.でも表情がかなりリアルでこの表情に心が揺れる.そういえばマサトに言われた.「邪悪は凡庸である」私の母に似ていると.わたしはすぐ否定したけど,そうかもしれないと思った.モデルはたぶんマルレーネ・デュマス本人じゃないかな.企画展のブロークンホワイトというタイトルが気に入っていた.アラーキーの写真をモデルに描いた作品のタイトルだった.

ギャラリー小柳でも今マルレーネ・デュマス展をやっているようだ.こちらはより死があるようだ.


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Thursday, May 24, 2007

ブルーノ・タウト展 アルプス建築から桂離宮へ

ワタリウム美術館のブルーノ・タウトに行ってきました.地上4階の展示スペースがとても小さなワタリウム美術館です.2階は建築デッサンと建築物の写真や模型展示,3階はタウトが友人や家族に宛てた手紙,4階はタウトが手がけた日本の工芸品と熱海の日向邸中心.展示スペースは小さいのでどうしても展示は窮屈になってしまいますが,レイアウトやカラーがお気に入り.

2階のファンタジー満載な建築デッサンが非常に良いです.クリスタルハウス,アルプス建築,星の建築.フンデルト・ワッサーの時も思ったけど,日本のアニメーションを喚起させる要素があります.桂離宮について綴ったメモが展示されていました.このメモのとおりに歩いてみたい.

4階は一部が熱海の日向邸を模した造りになっていて,木の階段と赤い壁がきれい.ここは,タウト作の日本工芸品が多数展示されている.薄いガラスのデカンタというかトックリとグラス,流線型と漆の黒が美しい手つき鏡,木のナイフ,金色の塗りが美しい木の皿.木のチェアとのバランスが秀逸な漆のカフェテーブルなどタウトの優れた審美眼が光る品ばかり.同じクオリティでレプリカ作らないかなあ.


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