雰囲気が良いと評判の原美術館に初めて行って来ました.品川御殿山の閑静なところに位置し,庭に面したガラス張りのカフェや白い漆喰?の外壁,建物は小さいながらもデザイン的に細かく凝っていてすてきなところです.今回はアドリアナ ヴァレジョン というブラジルの女性アーチストの個展です.

この人の作品はカルティエ財団コレクションで見たことがありました.白いタイルの割れ目から肉や血が見える作品です.タイルと血肉系の作品や世界地図やカンバスの切れ目から血肉があふれる立体作品は今回の展示でもいくつかありました.結構グロいです.プールの油絵はよかったです.ハンガリー人,夢見る人.プリンセスなど作品によって名前があり,形などのバリエーションがありますが,どれもタイルのプールに水が張ってあって,水が揺らめいてタイルの線がぐにゃりと歪んでいる絵です.庭にも新作のタイルに植物のイラストを描いた作品が展示されていました.他には,中国の水墨画風の景色の中にギリシャ神話みたいな人やインディアンや中国人や貴族がいて乱交するちょっと不思議な絵のシリーズがありました.全部見終わって気持ち悪くなりました.でもこの気持ち悪さはきっとアーチストの才能であり,主張なのかとも思います.視覚的な気持ち悪さにくわえて心理的な気持ち悪さもあるようです.なんだかよくわかりません.

アドリアナ ヴァレジョンの作品に混じって,常設?のインスタレーションもいくつか見られるのですが,それも面白いです.


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