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昔の人がそうしたように,絵画によって人の感性を揺さぶろうとするのがこの人が絵を書く理由の一つだそうだ.ほとんどの絵は顔面かバストアップ,あるいは裸の全身像で常に人物が描かれている.笑顔は皆無で,アルカイックスマイルがせいぜい,あとは思慮に沈んでぼんやりしていたり,遠くを見て少ししかめていたり,つくらない表情がほとんど.写実的ではなく,顔形は適当だったり,顔のパーツはデフォルメされていたりする.でも表情がかなりリアルでこの表情に心が揺れる.そういえばマサトに言われた.「邪悪は凡庸である」私の母に似ていると.わたしはすぐ否定したけど,そうかもしれないと思った.モデルはたぶんマルレーネ・デュマス本人じゃないかな.企画展のブロークンホワイトというタイトルが気に入っていた.アラーキーの写真をモデルに描いた作品のタイトルだった.

ギャラリー小柳でも今マルレーネ・デュマス展をやっているようだ.こちらはより死があるようだ.


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ART LAN@ASIA〜アジアの新☆現代美術!!

キュレータはアートとエロスと育児の革命!の増山麗奈です.その名のとおり,アジアの現在美術の一部を見ることができてたいへん面白かったです.特に激動の中国のアーティストによる作品は,そのスケールや,時代の変動を作品から伝わってくるような作品で考えさせられます.
Cao Feiの人民コスプレシリーズはよくある中国の風景の中にアニメのコスプレイヤーがいるという写真で,単純に面白いです.ソン・フーロン(Sun Furong,孫芙蓉) のずたずたに切り裂いたスーツの群像には圧倒されました.ソン・フーロンが極貧だった時代に金持ちに食べ物が欲しかったら踊れと言われた体験が制作のモチベーションになっているらしいです.そんな体験がすごいなあ,中国.以下,アーティストの印象的な言葉.
「人間の体というのは,毎日フォアグラを食べるようにはできていませんし,そんなにたくさんの贅沢な服もいりません.今の中国は欲望が内側から破裂しそうなほど膨れ上がっています.病気なのです.」(孫)
高峰格の「ベイビー・インサドン」は日本人と在日朝鮮人2世の結婚式の様子を写真と言葉で綴る物語.国とは何か?アイデンティティについて考えさせられる作品.東田理恵子は絵と部屋の壁が一体化するように一室をまるごとアートに仕立て上げていて面白い.

アジアの国々はこうして世界を見据えて生きているのに日本はどうだろうかと少し考えてしまう.
時間が足りなくて全部見切れなかった.また行こうと思って行けなかった.ああ,残念.


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AAN スタジオオープン!

私がボランティアとして所属しているAANというNPOの事務所がこのたび横浜関内にオープンしました.今日はそのオープニングパーティがあってお手伝い&参加してきました.

パーティには,東京の野方のアートスペース・アブラウリから根橋さん,AANと事務所をシェアするアーティストの横山飛鳥さん,展覧会情報誌「etc.」を発行している言水さん,徳島県神山でアーティスト・イン・レジデンスをされていた内山睦さん,2009年の開港記念150周年祭のプロデューサーの小川さん,つながりデザインの清原さん,2007年2月のAACのイベントSHOWCASEでもいっしょにボランティアした境田さんとそのお友達,SHOWCASEのイベントでとても熱いセッションを見せてくれたショウカセさんとイルカの調教師のたまごの彼女,AANに興味をもって参加してくれた中村さんなどなど.まだまだたくさんの人が来てくれました.昼の14:00から開始して,ひたすらいろんな人としゃべって飲んで食べて,楽しい会でした.嘉藤さんのちらし寿司と大友さんの野菜ピクルスがおいしいです.
今後,事務所の一区画の畳の間を使って横山さんが制作をされるのですが,非常に楽しみにしています.


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雰囲気が良いと評判の原美術館に初めて行って来ました.品川御殿山の閑静なところに位置し,庭に面したガラス張りのカフェや白い漆喰?の外壁,建物は小さいながらもデザイン的に細かく凝っていてすてきなところです.今回はアドリアナ ヴァレジョン というブラジルの女性アーチストの個展です.

この人の作品はカルティエ財団コレクションで見たことがありました.白いタイルの割れ目から肉や血が見える作品です.タイルと血肉系の作品や世界地図やカンバスの切れ目から血肉があふれる立体作品は今回の展示でもいくつかありました.結構グロいです.プールの油絵はよかったです.ハンガリー人,夢見る人.プリンセスなど作品によって名前があり,形などのバリエーションがありますが,どれもタイルのプールに水が張ってあって,水が揺らめいてタイルの線がぐにゃりと歪んでいる絵です.庭にも新作のタイルに植物のイラストを描いた作品が展示されていました.他には,中国の水墨画風の景色の中にギリシャ神話みたいな人やインディアンや中国人や貴族がいて乱交するちょっと不思議な絵のシリーズがありました.全部見終わって気持ち悪くなりました.でもこの気持ち悪さはきっとアーチストの才能であり,主張なのかとも思います.視覚的な気持ち悪さにくわえて心理的な気持ち悪さもあるようです.なんだかよくわかりません.

アドリアナ ヴァレジョンの作品に混じって,常設?のインスタレーションもいくつか見られるのですが,それも面白いです.


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フンデルト・ヴァッサー展@日本橋三越

日本橋三越で2週間だけの展示.閉店まぎわの45分くらいでざっくりと見ました.
1990年代の作品は浮世絵みたいだなあと思ったらやはり歌麿北斎に影響をうけていて,日本の原画師,彫り師,刷り師に頼み込んで版画の制作をはじめたのだそうです.ちなみに日本での号は百水だそうです.メタルを使った光る絵はきれいでよかった.
自然環境破壊に反対し,そのマニフェストとしても描かれる絵は森や公害の街,人などがモチーフです.劇画的な雰囲気もあり発想はSF的,日本の漫画やアニメーション(宮崎駿、大友克洋、諸星大二郎など)を連想させます.建築もおもしろいです.大阪のゴミ処理場のデザインにびっくり.



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若手(emerging)アーティストを応援する MAM PROJECT の最新版は ジョン・ウッド&ポール・ハリソンによる映像作品群.体を張った滑稽な作品や,目の錯覚や人の思い込みを利用したようなちょっと不思議で科学的な,あるいはピタゴラスイッチ的な実験作品などがあります.内覧会のレセプションにアーティストがいらしたのですが,昨年一年間で作成した映像のトータル時間が30分だそうで,今年はMAM PROJECTのために約1分の映像を作成したので,残り後29分を作らないとと冗談めかして話していたのが印象的.
1%は白いお手玉を一個上に放り投げてキャッチするのをひたすら繰り返す手の映像.上に放り投げたお手玉は一瞬画面から外れておちてくるのですが,実は色が1%だけかわっていて徐々に黒くなっていき,また白に戻るという作品.色の変化はしばらく見ていないと気づかないのです.あるいは,テーブルの足にペンキを塗って引きずってみるとか.生きるためには全く知らなくてもいいようなふとした疑問を実験してみるのですが,その実験のimplementationのクオリティが高いのがアートなのです,きっと.
映像作品ですが,地面に埋め込まれた大型ディスプレイやすごく小さな壁埋め込みディスプレイがあったりして,インスタレーションっぽく展示されているのもまた楽しいです.

MAMプロジェクトの過去の展示情報が森美術館のページにアーカイブされていますが,前回のチェ・ウラムの作品もとても面白いです.ビデオは必見.


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淺井裕介@BankART 桜荘 Landmark Project II



ランドマークプロジェクト2の展示会場の一つである,黄金町のBankART 桜荘の展示を見に行ってきました.桜荘はかつて売春宿を改修して芸術と地域発展の拠点にした建物で一階はオープンスペース,二階はアーティストのレジデンスとして利用されています.その桜荘に現在住み込んでいるアーティストの一人が浅井祐介さんです.彼の作品は一階の天井に張り巡らされた正方形のアクリル板に描いた花と動物の絵.天井自体はみかんぐみのお弟子さんが制作したものだそうですが,浅井さん曰く「ちょっとおしゃれすぎる感じだった」ので絵を描いたそうです.
私が行ったときは,3月頭に期間限定で開くちかいカフェの準備中だったらしく,ちかいさん他が作業をしていました.そのちかいさんがお茶とお菓子を振る舞ってくれたりして,天井に浅井さんの絵をみつつほのぼのした音楽(と浅井さんの鼻歌)が流れる中,ぼんやりと過ごすのもなかなかすてきなものだと思いました.
桜荘のすぐ近くには警察官の詰め所があって,桜荘の前を数分おきに警察官が通っています.いっぽうで桜荘のすぐ隣のスペースはやくざの駐車場.浅井さんはどちらとも顔なじみらしいのですが,社会的に正反対な立場にある人たちの中間にアーティストが立つというのは,オルタナティブなアートスペースならでは現象で面白いです.
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[Event] レイモン・サヴィニャック原画展

レイモン・サヴィニャック
書類が山のように積み上がっている某T先生のオフィスから発掘された1999年のシャトー・ムートン・ロートシルトを飲みました.T先生がいろいろとワインについての講釈を垂れたくなるほどの良いワインらしいのですが,確かに赤ワインをおいしいと初めて思いました.このワインのラベルは毎年,時のアーティストに依頼されてつくられているもので,1999年はレイモン・サヴィニャックのかわいい羊の絵です.このワインがきっかけで,現在開催中のレイモン・サヴィニャックの原画展に行ってきました.

代官山の"ギャラリーのような場所"(g)の小さな一室に展示されている絵はほとんどが広告のポスターの原画です.どこかで目にしたことがあるような絵がたくさんありました.とてもかわいらしくて,微笑ましく,ハッピーになる絵です.原画は購入もできます.気軽には買えませんが.
2月10日(土)〜3月11日(日)12:00〜19:00 月曜日はお休み
入場無料
(g)にて

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2007年の初美術館は千葉県佐倉市にある川村記念美術館でした.コレクション・ハイライトでは,コレクションの中から選りすぐりの60点が見られます.
印象的な作品
川村記念美術館
印象派の部屋では気になる作品がたくさんありました.「睡蓮」はすばらしいです.「アンナ・ド・ノワイユの肖像」の繊細なドレスの描写と肌の色の美しさに見とれました.日本画の部屋では,グレースケールで描かれた迫力のある鶴の舞の屏風に目を奪われます.そして,長谷川等伯の烏鷺図は国の重要文化財で展示期間が短いのですが,たまたま見ることができました.烏の堂々とした様は現代の烏よりも凛々しい形です.烏も鷺も顔が滑稽でかわいらしく対比が楽しいです.アメリカの20世紀の作品群も好きです.
睡蓮[クロード・モネ],アンナ・ド・ノワイユの肖像[藤田嗣治],眠れるミューズII[コンスタンティン・ブランクーシ],赤い太陽[マルク・シャガール],肘掛け椅子にすわる女[パブロ・ピカソ],冒険の衣服[ルネ・マグリット],線的構成No.1 ヴァリエーション [ナウム・ガボ],円舞(鶴舞)[加山又造],烏鷺図[長谷川等伯],マーク・ロスコの壁画,フランク・ステラの最初の3つ[トムリンソン・コート・パーク(黒),ボルタゴ侯爵(グレー),タンパ(オレンジのX)],エンツォ・クッキ,アシスタント[ロバート・ライマン],緑,黒,黄褐色のコンポジション[ジャクソン・ポラック]


油絵を見る
美術鑑賞に興味を持ち始めたのが2005年の終わりで,2006年は現代のアートやデザインにフォーカスした展覧会にばかり行っていました.2007年は現代アートだけでなく,ちょっと古い時代のものにも目を向けてみようと思い名作のある美術館,そして普通の週末じゃ行けなそうなちょっと遠くという理由で川村記念美術館にしました.古い時代の名作と言えば,油彩画が中心となると思うのですが,油絵の具は臭くて面倒くさそうというイメージを持っていました.でも,川村美術館所蔵の作品を見て油彩画の多様性を知り面白いと思いました.(ちなみに,Wikipediaの油彩の項の説明).


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[Event] 大竹伸朗 全景

展示終了前日の12/23にMOTの大竹伸朗「全景」に行ってきました.相変わらずアーティストの予備知識などはほぼゼロ状態です.
「全景」
「全景」は現在51歳の大竹伸朗の大回顧展です.古くは小学校・中学校時代の作品から20代にロンドンで作り始めてから64冊になるスクラップブックや網膜シリーズやジャリおじさん,日本景などなど全部で2000点あまりの作品が公開されています.なにしろ2000点,ものすごい量です.作品は幅広く,スクラップブック,コラージュ,風景画や劇画チックなイラスト,ゴミで作ったようなオブジェやネオンのオブジェに船の船首など.卒業旅行でモロッコに行ったわたしとしてはモロッコの風景を描いた作品群の「カスバの男」がよかったです.「網膜シリーズ」と呼ばれる作品群の噂を聞いて楽しみにしていました.不思議に美しいけれども気持ち悪いような作品です.抽象的な模様あるいはシミのような絵でサランラップを巻き付けたようなものとか,テーピングのテープを貼り付けたような作品もありました.説明を読んでも作品を見ても未だによくわかっていませんが,きっと自分の熟成が必要なのだろうと思います.当日は大竹伸朗率いるダブユニット[ダブ平&ニューシャネル]の noisy な生演奏を聴くことができました.一番の感想はとにかくかなり疲れたということでしょうか.作品の一部は展覧会公式サイトJDNリポートで見られます.

展示方式について思ったこと
今回の展覧会では額に納められて壁に掛けられた作品はガラスへの映り込みが多くて気になりました.作品を見るつもりが自分の顔しか見えなかったりして...今回のように作品の数が半端なく多いと学芸員の方も展示でいろいろ悩まれるのではないかと思うのですががんばってほしいです.

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[Event] ヴィオラ・チューズデイ

森美術館のヴィオラ・チューズデイというプログラムに参加しました.はつゆめ展では見ることのできない作品[はつゆめ]を鑑賞しビオラ作品の解説を聞くプログラムです.私は第3回のICCの学芸員の畠中実さんの回に参加しました.
はつゆめ
はつゆめ
はつゆめはビオラがSONYのプログラム,アーティスト・イン・レジデンスで日本に滞在中の1981年に完成しました.作品は日本の様々な風景を撮影したシングルチャネルです.ちなみにシングルチャネルとは,単一の画面で再生するように作成されたビデオ作品のことだそうです.車のフロントガラスから撮影した夜の東京の風景やホタルイカの漁,灯籠流しや,竹やぶの風景,恐山,置き石を中心に撮影した遠近感の狂った画など様々.ストーリーなどはなく散文的な映像の集合です.とくに海の上のホタルイカ漁の船を海岸から撮影した映像では,寄せる波がカメラの視界をちょうど遮るような高さに設置されており,暗闇の海を煌々と照らす船が波で隠れるとその光が残像としてぼんやりと残り幻想的で美しいです.

ビル・ヴィオラの作品解説など
ラフト
畠中さんによると,当時のビデオカメラで撮影すると光が残ってしまうのは技術的にどうしようもないことなのだそうです.そこを逆手に利用して美しい映像をつくるヴィオラはヴィデオ・アーティストとしてすごいという話をしていました.最近ではプラズマや液晶のディスプレイを利用した高精細で動きの少ない絵画のようなインスタレーション作品を作っているのですが,これらはHDの高フレームレートのカメラで撮影した映像をスローモーションで再生します.最先端の技術を駆使して今までみたことないようなものを作ることで生まれる作品のインパクトは,確かに技術に精通していなければ実現できないのです.また,サウンド・アーティストとしても活躍していた経歴を持つヴィオラは,映像作品においてサウンドを効果的に利用しています.サラウンドで見る[ラフト/漂流] や[クロッシング],[ミレニアムの五天使]の水しぶきや炎の轟音は映像の迫力を強め,静と動を明確に表現しています.この会の質疑で聴覚障害の方が「ヴィオラ作品で音はどのように利用されているか?」というような質問をされていたのですが,この質問がヴィオラ作品のサウンドのすごさをあらためて気づかせてくれました.

失敗
予感はしていましたが,[はつゆめ]の上映中にマイクロスリープを採ってしまいました.睡眠不足が続いていたので危険だとはおもってましたが,案の定.そんな自分にがっかりです.もう一度見たいなあと思っていたら,ICCで12/24にやるのだそう.でも,行けないなぁ.ICCと言えば,解説の畠中実さんが企画した「八谷和彦 - OpenSky 2.0」という展示がICCで開催中だそうです.こちらも面白そう!

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[Design/Art Podcast] MoMAudio

MoMA [The Museum of Modern Art] では Acoustiguide という会社の電話の受話器を長くしたようなデバイスを利用してオーディオガイドを聞きながら美術館の見学ができます.そのオーディオガイドはすべてpodcastで公開されています.ガイドは4つのカテゴリがあり,その時の特別展の特集を紹介するSpecial Exhibitions, キュレーターやアーティストによる作品解説をする Modern Voices, 作品解説やアートにまつわる話題を子供向けに作成した Modern Kids, MoMA収蔵作品を詳細に解説する Visual Descriptions の4つです.一個のpodcastに4種類含まれています.podcastのアートワークで作品が見れる場合もあるので,作品を見ながら解説を聞いたりするとなかなか楽しいです.でもやっぱり実物を見に行きたくなりますけどね...
Modern Kids は子供向けに楽しくわかりやすく作られているので個人的におすすめです.基本はオーディオガイドなので,デバイスの操作案内もオーディオの最後に入っている場合があります.すべてのオーディオは5分以下で,多くは1~2分くらいの長さです.2006/12/8 現在で101本.英語.
podcastには含まれないコンテンツとして,Think Modern: Adult and Academic Programs Audio Archive というのがあります.こちらはアーティストトークや講義のようで1時間以上のボリュームがあるものもあります.ただ手動ダウンロードしないといけないのが難です.もう一つ,MoMA関連のオーディオコンテンツとしてMoMAが提携している P.S.1 Contemporary Art CenterWPS1 というのがあります.こちらはアート関連の radio&podcast で,ラジオのアーカイブや音楽なども含めてコンテンツがかなりあるようです.こちらは聞いたことがないのであらためて書きたいです.


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[Event] 写美三連発

写美[東京都写真美術館]で開催中のイベント3つに行ってきました.イベントは,[コラージュとフォトモンタージュ展],[写真新世紀],[PARALLEL NIPPON] です.
その名の通りコラージュとフォトモンタージュを集めた展示です.コラージュの初期,前衛芸術とコラージュの関係,現代のコラージュを紹介する3部構成で,それぞれの時代の作品を見ながら当時のコラージュがどういう意味を持っていたか/いるかを示しています.昔のカメラでは空と海の風景の両方を鮮明に撮影することができなかったので,それぞれを鮮明に撮影したものを切り貼りして作ったのがフォトモンタージュの始まりだとか.最近のデジタルカメラで撮影した画像の加工手法で High Dynamic Range Imaging と呼ばれているものに近かったようです. 時代が下るにつれて写真がメディアとして一般的に利用されるようになると,芸術家たちが写真を利用して別の意味を作り出すようになっていきます.それがよく伝わる構成でよかったです.パンフレットの解説の[創りものの世界]を読むとよりいっそう思います.印象的なのは,ギュスターヴ・ル・グレイ[海景],小石清[燐素],本庄光郎[意識の流れ],大束元[東京の花火],石井茂雄[浮遊するフォルム],ジェリー・N・ユルズマン,ロバート・ラウシェンバーグ[オーヴァーキャストI],[NIPPON](雑誌)

写真新世紀は新人写真化の発掘・育成・支援を目的に1991年にスタートしたプロジェクトだそうです.その優秀賞作品が写美の2Fに無料で展示されているのですが,私が行った時にたまたま優秀賞受賞者のアーティストトークがあって,高木こずえさんのインタビューを聞くことができました.高木こずえさんの作品は「insider」というタイトルで,双子のように似ていて微妙に異なる顔の二人を並べた写真です.この写真は実は一人の人間の右半分だけで作った顔と左半分だけで作った顔なのです.それぞれ半分を反転して重ねあわせて左右対称にして,二人の人間を作るのです.するとそれぞれ微妙に違う顔になっていて,撮影された本人とも違う顔になるのです.その人だとわかるけれども微妙に違う,ちょっと不思議な写真で面白いです.右だけの自分,左だけの自分,両方を合わせた自分,自分の顔はどうなるのかな?と思うとわくわくします.ちなみにこの作品を選出したのは,森山大道です.清水朝子さんの「On her skin」はとても美しいです.こちらは南条史生選出.優秀賞は他に3作品あります.グランプリ選出が12/1に行われるそうです.展示は12/3まで.無料.

日本においてここ最近の10年で建設された代表的な建築を写真で紹介する展示.ヴォリュームがあります.コラージュと写真新世紀を見た後だったので,疲れていて見きれませんでした,残念.ここ10年に日本各地で建設された建築物から日本がどういう方向に進んでいくのかを建築から考えていこうとするのは試みとして面白いです.ただ,展示スペースが狭い気がします.展示の仕方と展示の順番などにもうちょっと工夫があるともっと楽しめるかなあ.アートスペースで見るというよりは百科事典的な内容なので本にして眺めた方が楽しめる感じです.12/3まで.ちなみに,コラージュとフォトモンタージュ展とPARALLEL NIPPON セットで1000円チケットがありました.

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[Event] ビル・ヴィオラ: はつゆめ

六本木ヒルズの森美術館で開催中の ビル・ヴィオラ: はつゆめ に行ってきました.
ビル・ヴィオラ
ビル・ヴィオラはビデオアートの第一人者だそうです.ナム・ジュン・パイクのアシスタントの経験もあるのだそう.今回展示されている作品のほとんどは,数十秒の出来事をスローモーションで撮影し数分から数十分の映像に仕上げられたものです.ふとした出来事,あるいは人の激しい感情表現の移り変わり,そういったシーンを現実生活では見ることのないほどのスローモーションで表現されたことにより,本来はありえなかった瞬間を体験し,新たな見知が得られるという作品です.例えば,ドロローサ[Dolorosa] は写真立てのような二面のモニタにそれぞれ悲しみにくれる男女の映像が映し出されています.スローモーションの映像なので写真に近いです.それぞれはただ泣くだけなのですが,スローモーションだと表情や首の角度,視線の微妙な変化あるいは涙の落下を見ながら,実時間の映像ならば絶対に思いつかないようなことをいろいろと考えるのです.それが新鮮で面白いのです.また,スローモーションによって炎や水が幻想的な美しさで表現されるのも素晴らしいです.
クロッシング[The Clossing] は 4m もある巨大スクリーンの表と裏それぞれに,炎に包まれる男性と水というか滝に打たれる男性の映像が映し出されます.男性は激しい炎や水に包まれてほぼ同時に消えてしまいます.炎のゆらめきやキラキラと輝く水滴の美しさが印象的です.ミレニアムの5天使[Five Angels for the Millennium] は 5つのスクリーンに5人の天使がそれぞれ水に沈む(あるいは巻き戻して浮かび上がる)シーンを映し出すインスタレーションです.ここでは,ゆらめく水面や水泡が美しく表現されています.他にも,幾重ものベールに前後から別々に投影された映像作品のベール[The Veiling] や老若男女の手が表現する宗教的文化的ないろいろな手のふりをする四人の手[Four hands] が印象的でした.

杉本博司
ビル・ヴィオラとは関係ないのですが,ちょうど一年前に森美術館で杉本博司の「時の終わり」を見ました.とても素晴らしい展覧会で,これがきっかけで美術館に頻繁に通うようになりました.その「時の終わり」のカタログを森美術館のミュージアムショップで発見してしまいました.なんと6000円もするのですが,同じものがハードカバーだと15000円,しかもソフトカバーはそこでしか販売していないということで購入してしまいました.でも買ってよかった.ビル・ヴィオラ同様,杉本博司の作品は写真によって本来的には目には見えないなにかを表現しています.例えば時間とか.杉本博司の作品は知性を刺激すると何か書かれていましたが,まさにそんな感じで面白いのです.そして美しい.

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[Design/Art Podcast] Tide Audio

Tide Audioは Design Tide のデザイナへのインタビューを主な内容としたポッドキャストです.ミラノサローネに作品を出展したデザイナによる自身の作品解説などもあります.デザイナが何を考えて作ったのか,どこを見るとよいかがわかるのでとてもよいです.ポッドキャストのアートワークが結構凝っていて話にあわせて紙芝居的にかわるのが楽しいです.
アップデートはイベントのある時期に集中的に行われているみたい.ただし今年(2006)の Design Tide のインタビューはまだないです.長さは数分から20分以下が多いです.ほとんどの外国人の話は日本語の通訳が入ってますが長いインタビューは入ってない場合もあります.ミラノサローネのインタビューはそうかも.2006/11/14現在で90本あります.


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[Event] Design + Tokyo

青山近辺で11月初めに開催されているデザイン系イベント2つに行ってきました.Tokyo Designer's Week の100% Design Tokyo と Design Tide です.

二つのイベント
aalto
同時期に同じエリアで二つ(3つ?)のデザインイベントがあるのですが,この違いについてNobiさんがわかりやすく説明してくれているので引用させていただきます.
「100% Design Tokyo」と「Tokyo Designers Week」は、ほぼくっついていると考えてOKです。ただ、TDWは絵画館前の会場以外にも、原宿、青山、赤坂、代官山、恵比寿、銀座あたりのインテリアショップ系も参加して、いろいろなイベントをやっています(でも、基本は絵画館前だけ押さえれば大丈夫)。

これに対して、やや「反体制」で「ゲリラ」的なのが、IDEEの創業者黒崎輝男さん率いるDesign Tide。黒崎さんはかのマーク・ニューソンなどのデザイナーを発掘した人物としても有名で、Paul Smithやらとも仲がいい。なんか、きれいにこざっぱりまとまる感がきらいで、思いつきみたいにあちらこちらでゲリラ的にイベントやるので、会場らしい会場があるような、ないような...


私の感想は,100% Design Tokyo は 幕張とかビックサイトのIT系イベントが青山絵画館前に来て少しこじゃれた感じ.絵画館前しか見てないですが,見本市的なのはいいとして大きすぎて見きれないのと,いまいちまとまりがなく長居する気が起きなかったです.見たい展示をあらかじめリサーチしておくべきだったなあと思いました.
Design Tide は 規模としては小さくて,今活躍しているアーティストを集めての展示会がメイン.なにか&Peaceがテーマでなにかはアーティストや参加者がそれぞれ埋める.日本から平和の再定義をしようというコンセプトがあっていいです.展示は実用デザインというよりはアートでした.カルティエ現代美術財団コレクション展(リンクはblog)で得た印象に近い感じで,カラフル,いい意味で軽い,楽しい そんな印象をうけます.

Design Tide
aalto

明治通りのビルのメインサイトと国連大学だけみました.どうくっつけても繋がる模様の不思議なマグネット式ピース[野老朝雄]とか,ゴミで作ったシャンデリア[Stuart Haygarth]とか面白いものがいっぱい.マグネットは新日本様式100選にも選ばれたそうです.黒田潔のライブペインティングもなかなかでした.[Domestic]による壁紙のデコレーションや[Ng & Vilde]の静物も好きです.[FRONT]の空間に描くスケッチファニチャは私が見た中では唯一,ITによる問題解決的なアプローチをしている展示でした.要は3Dオブジェクトのプロトタイピングにかかる時間を劇的に短縮するツールです.スカウターをつけてみられると完璧ですね.国連大学の夜のイベントもなかなかすてきで,小さな豆電球をつけた風船を無数にデコレーションしたのと,国連大学の建物に投影したピースマークがよかったです.

100% Design Tokyo

こちらは...うーんと,ちょっと印象に薄い...こちらもNobiさんの記事に.「デジタル家電の近未来デザインとは」(CNET Japan)

ところで写真撮影

どちらの会場も撮影は禁止.でもTideの方はみんな撮りまくりでした.私も撮りまくりました.TDW はあんまり撮ってる人がおらず,すごくお願いしても撮らせて貰えなかったりしました.撮らせてくれないのは盗作などを恐れているからでしょうか.ブログ全盛の時代なんだから,製品の宣伝にいいんじゃない?と思うのですがそうでもないのかなあ...でも撮っちゃった.

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Washington, DC の Hirshhorn Museum のPodcast. 特別展に関連するアーティストに対するインタビューが主なコンテンツ.他にキュレータによる Hirshhorn Museum の 各フロアの案内など.30分以上のロングインタビューが多いです.杉本博司やさわひらきのロングインタビューが個人的にはうれしいです.現在は月に一回くらいコンテンツがアップされています.2005/12から.2006/10/28 現在で33本.英語.

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乃木坂にあるTOTOのギャラリー間 で "タッチストン 大橋晃朗の家具展",
外苑前のワタリウム美術館で "さよなら ナム・ジュン・パイク"
行ってきました.

大橋晃朗

poster
今回も前知識0,直感で良さげだったのでいってきました.タッチストン(試金石)という展覧会の名のとおり,実験的でファンシーな作品が多かったです."ハンナンチェア"や"台のような椅子"が印象的.

展示のバランスも絶妙でした.ギャラリー間は小さなギャラリーですが狭さを感じさせない配置です.また美術館だと触ったり座ったりが禁止されてることが多いですが,ここはほとんどがOKだったので座って触って楽しめました.展覧会は無料.ぜひ足を運んでみてください.
ちなみに,展覧会の監修の一人が建築家の伊東豊雄という人なんですが,今この人の特別展がオペラシティで開催されています.こちらも気になる.

Chairs




ナム・ジュン・パイク

nam june pike

ナム・ジュン・パイクは韓国で生まれ日本で東大を出てNYで活動したアーティストだそうです.面白い人だったのだなあと.テレビに取り憑かれたような作品の数々です.たくさんのテレビを飾った庭や,ビデオカメラでリアルタイムに撮影しているろうそくの映像を何重にもプロジェクタで投影している作品など.展示に利用されているテレビはすべてブラウン管でしたが,今ならネットワークやいろんなタイプのディスプレイを利用してもっといろいろな映像の表現ができるけれど,この作品が発表された当時はブラウン管テレビは最新機器のはずだから,それをふんだんに使った作品はインパクトがあったんじゃないかと思います.もちろん今でもインパクトはあります.笑ったのが,"TV fish".水槽が展示されていて,赤い金魚がゆらゆら泳いでいるなぁ,と思ってよく見たら水槽の後ろにテレビが置いてあって,赤い全身タイツを着てゆらゆらと踊る人の映像が流れてました...

Chairs



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[Event] 光の美術師 インゴ・マウラー展

東京オペラシティアートギャラリーの企画展,インゴ・マウラー展(LIGHT: Reaching for the moon / INGO MAURER) にいってきました.

INGO MAURER

LED Table

インゴ・マウラーは今回の展示会に行って初めて知りました.でもプロダクト(ルーチェリーノ)は見たことがあり,他のも気づかずにいろいろなところでも目にしていたのではないかと思います.印象的なのは以下.



  • LED Table
  • Installation Tableaux Chinois
  • Henry Hudson Dome
  • MaMoNouchies
  • Installation Swinging Bulb
  • Lucellino (ルーチェリーノ)

前知識ほぼ0だったのですがとても素敵で楽しめました.LEDテーブルはガラスのテーブルに無数の白色LEDが埋め込まれていてとてもきれいです.青い Henry Hudson Dome の あるどこかの駅の映像が無限ループしていましたが,青い駅がきれいで印象的でした.MaMoNouchies は イサム・ノグチのあかりシリーズに似てるなあと思ったらそこからきているらしい.MaMoNouchies は造語で,MaurerとかMombach.Noguchiを混ぜてた単語なのだそう.この人は言葉遊びが好きみたいで,いろいろな作品のタイトルにいろんな言語の造語が用いられています.ルーチェリーノもそうらしい.遊ぶように作品をつくる感じが伝わって楽しい.

コネクティングワールド 創造的世界に向けて

LED Table
インゴマウラー展示フロアの上のフロアで行われていた展示.巨大ゾートロープ.円筒ディスプレイでの対戦シューティングゲーム,空間時同分割光り投影機(ほんとうの名前はなんだっけ...)など.
ここのチケットの半券をもって森美術館のはつゆめにいくとちょっとお得らしい.

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[Event] 明日の神話

岡本太郎美術館に続き汐留で公開中の岡本太郎の壁画,明日の神話を見て来ました.美術館の話はこちら.
ガイコツ

とにかく巨大.横30m,縦5.5m の巨大壁画です.メキシコのホテルのロビーに飾る予定で作成,完成したけれども公開はされずそのまま行方不明になっていたそうです.発見された時は割れてバラバラだったそうで,修復しても痕が結構見えました.

力強く,明るく,強烈なメッセージ.中央の燃える骸骨や動物?が印象的です.メキシコは骸骨のお祭りがあるらしく,骸骨=生=死 というあるのだそうです.だからこういったモチーフが受け入れられるのですね.メキシコのホテルで見ることができたら,もっともっと素晴らしかったのではないかと思います.

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