狩野派について
江戸狩野派の作品に注目し,調査・研究をしている板橋区立美術館での,狩野派作品の展覧会に行ってきました.狩野派とは「血縁関係でつながった狩野家を中心とした絵師の専門集団で,常に幕府の仕事を行ってきた人たちのこと」(板橋区立美術館 狩野派全図録 より引用).室町時代から江戸時代が終わるまで.本拠地は京都にあったが江戸幕府のために京都から江戸へ狩野探幽が送られるのですが,これが江戸狩野のはじまり.絵師は武士じゃないとなれなかったんだそうですが,武士の中でも階級が高くない身分の人がなるんだそうです.
一口に狩野派と言っても,400年くらい続いているものなので,画風やモチーフもさまざま.中国のはやりを取り入れたり,町民のはやりを取り入れたり,伝統的な花鳥図から農民などの風俗図など.一般には水墨画と大和絵を融合したのが狩野派なんだそうです.
狩野派(Wikipedia)
狩野派の作品
狩野探幽の富士山図屏風(1665年?)は余白が大きくコントラストの低い絵で独特.薄暗い展示室で見た金箔の屏風(狩野常信の四季花鳥図屏風)はぼうと浮かび上がるシャンパンゴールドがきれいでした.電気がなかった時代には,ろうそくなどの薄明かりの中で屏風を見た時にきれいに見えるように作られたのかなあ,と想像したり.狩野融川の桃花西王母図は絵の雰囲気も好きですが,桃の節句にこの絵を飾るという昔の人の風流に感心しました.河鍋暁斎(Wikipedia)は,太公望図や龍虎図屏風など力強い絵が印象的.
板橋美術館とその周辺
板橋美術館では,畳を敷いた一角に靴を脱いであがり,座布団に座って屏風鑑賞するスペースがありました.なかなか面白いです.絵や屏風には現代風にタイトルを付けていて,例えば龍虎図屏風が「タイガーVSドラゴン最終決戦」だったりしました.説明書きもわかりやすく,興味深い内容でした.
周辺は文化施設がいくつか集まった場所で,緑が多く,わき水もあり,釣り人が集まる溜池があり,ちょっと都内とは思えない風景でした.東京大仏は観覧時間が終わっていて間近でみることはなりませんでしたが,門外から頭部だけ見えました.
少しですが,写真はこちら(flickr)
次は,周辺散策もかねて2006イタリア・ボローニャ国際絵本原画展に行ってみたいな.
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