光 松本陽子/野口里佳 @国立新美術館

国立新美術館に初めていってきた。光というテーマで、松本陽子さんという画家と野口里佳さんという写真家のそれぞれの個展を同時開催する体裁。

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どちらの作家さんの作品も現代美術の企画展示などで見かけたことがありましたが、個展として作家さんと向き合う展示というのはまたちがった形で楽しめました。

わたしは特に野口里佳さんの写真が気に入りました。[フジヤマ]という一連の作品群で始まります。フジヤマっていう名前から最初は富士山の遠景からの全体像を想像したんだけど、主な写真は山頂近く?の砂利の地肌と空と登山をしている人。ここが果たして富士山なのかどうかも不明です。ですが、空と空を斜めに切り取る砂利の肌の構図が好きです。山を登る人があったり、立派な雲があったりでいろいろ。富士山といえば、あの均整の取れた姿形から日本人の心の拠り所となるような存在でもあるのですが、そんなイメージとは全く異なる写真でありながらも作品からは富士山のパワーと共通するものをなんとなく感じるのでした。

次に、[星の色]。海底遺跡の写真に見えるんだけど、深緑色の遺跡と海がとても美しいです。写真によっては銀色の泡沫があり、それまた美しい。

そして、[太陽]のシリーズ。ピンホールで撮影した太陽の光が印象的な作品群です。この作品に関しては作家本人の解説ビデオを発見しました。1年前くらいに Carnegie Museum of Art で life on marsというイベントがあったらしいのですが、そこでのコメントです。



最近のデジカメなんかを使えば写真を撮ったらその場で確認できるようになっていて便利なんだけど、ピンホールはそれができない。かわりにできることは、どんな絵が出来上がるかを想像してカメラを信じること。想像して信じる、それしかできないんだ、という言葉が心に残りました。

「光」 では他にも鳥の写真 [マラブ]、[砂漠にて]など、面白い作品がたくさんありました。

松本陽子さんの作品はピンクのアクリル絵画が有名です。展示では黒や緑など他にもいろいろありましたが、やっぱりピンクの雲みたいな作品がたくさん。抽象画はどうにも解釈できないんですけど、私の場合この作品はなんとなく見てて気持ち悪くなります。生理的なものに訴えるような作用があるのかも。マーク・ロスコみたいなのは見てて落ち着くので、単純に曲線や雲みたいな形状がだめなのかもしれません。あとは色の影響は強くあると思います。

光をテーマにした二人展ということでふらりと行ってみたらとても楽しかったので国立新美術館の現代アートの展示に期待したいと思います。
それにしても、国立新美術館のトップページがSafariでレイアウト崩れてるのはなんとかした方がいいと思う。

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6月に北欧旅行に行ったときにデンマークで訪れた王立図書館の展示スペースでたまたま行われていたのが、"A Building is not a Building" でした。

building
北欧旅行で月曜日にコペンハーゲンへ訪れたのですが、なんと月曜日はほとんどの公共施設がお休み。現代美術館や武器博物館など行きたかったんですが、そんな計画はもろくも崩れ去りました。そんななか、営業中の王立図書館に行ってみたらたまたまこの展示が行われていたので行ってきたのでした。そんなに広くもなく、大判の写真展示が10個くらいあったと思います。

タイトルにある通りこの写真たちはすべて建築物を撮影したものらしいのですが、建築全体はどこにも写っていません。建築の一部のミニマルなパターンを写した抽象的なパターンばっかりでだいたいなんの写真かわかりません。なのですが、カラーや光沢のある素材の美しさ、そして縦横2mくらいあるような大判ばかりで圧倒されるので見ていて楽しいです。Ola Kolehmainenのポートフォリオも楽しいのでぜひ見てください。以下は展示のカタログの製作に関する工程を紹介しつつ展示紹介するビデオですが、アーティストであると同時にプロフェッショナルとして完璧主義なこだわりが紹介されています。あのカラーもかなりのこだわりによって生み出されたものだと納得しました。








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歴史の歴史@金沢21世紀美術館

杉本博司の個展が金沢21世紀美術館で行われてる!ということで、2008年12月の暮れ近くに行ってきました。(この記事の執筆は2009年9月です)

history of history
私が現代アートに興味を持つきっかけをくれた杉本博司の展示ということで非常に楽しみにしていました。かつて古美術商をやっていたこともあり膨大な美術品や歴史的なアイテムのコレクションを持っている方です。コレクションには、数億年前の化石、人類が誕生した頃につかってた石器、平安時代の仏教アイテムから18世紀の西洋の人体解剖図、そして第二次世界大戦のTIME誌の表紙コレクションや宇宙食まで。それらを杉本博司自身によって再構成された歴史を自身の作品とのミックスをしながら杉本の世界へ導いてくれるそんな展示でした。

鎌倉時代の小物に自身の海景の作品をはめこんだり、仏像の脇侍に19世紀のアメリカ人の大鬼蓮の版画を添えたり、あるいは、フィルムに放電して焼き付けた放電場シリーズ(雷の文様のような作品)と一緒に鎌倉時代の雷神像を配置してみたい、決して時間順ではないコレクションの展示方法はユーモアと示唆にあふれている。博物館に陳列あるいは死蔵された説明のある遺物は「ある特定のフレームで括られた歴史=歴史の教科書に載っている歴史」によって選ばれたアイテムなんだけれども、そういう既存の歴史とは異なった解釈で杉本博司自身がフレームとして切り出してきた歴史というか時間というかこの体験の中で出会う数々の遺物はもはや作品になっていて、どれも生き生きとして見える。今自分たちが信じている教えられている歴史もまた世の一面しか写してはいないというメッセージが込められた、まさにアートな展示なのでした。以下に杉本博司の展示にあたってのメッセージの一部を引用します。

天地開闢以来、幾多の文明が栄え滅びてきた。その度に歴史は書かれ又書き換えられてきた。歴史とは生き残った者が語り継ぐ勝者の歴史に他ならない。語り継ぐ者のいなくなった敗者の歴史は遺物となって その内に閉じ込められ、私に何かを語りかけてくる。数十億年前に絶滅してしまった生命の種が化石となって私に語りかけてくるように。こうして私は歴史から一歩距離を置いて、私が収集してきた遺物を眺め暮らすようになった。

私の集めた遺物達は、歴史が何を忘れ、何を書き止めたか、そんな歴史を教えてくれる。








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オペラシティで3つ

ICCのサウンドxイメージ,OPEN SPACE 2007,オペラシティギャラリーのMELTING POINT に 行ってきました.最初の二つは主に日本のメディアアート作品群で MELTING POINT はコンテンポラリーの3人のアーティストによる3つの展示です.
サウンドxイメージとOPEN SPACE 2007
サウンドxイメージは映像と音を使った子どもも(もちろん大人も)楽しめるプログラムです.土曜日に行ってきたのですが,その直前までイベントがいろいろあったらしく,子ども連れの家族がたくさんいました.作品はインタラクティブなメディアアートで,遊びながら作曲やアニメーション作成ができるようなシステムもありました.文化庁メディア芸術祭でよく見かけた作品も多くて目新しい感じは正直なかったのですが,子どもたちがみんな楽しそうに遊んでいる姿を見ると,メディアアートっていいよな,って思います(もちろん自分自身も十分楽しみました).作品は展示作品を見てください.OPEN SPACE 2007 はICCの研究成果の公開なので,作品だけでなくテクノロジーの紹介や,アーカイブなどもあります.それらの一つとして,部屋全体が音の反響を吸収してしまう素材で囲まれている無響室が公開されていたので入ってみました.人間は音の反射で空間の広さを認識しているのですが,無響室では音によって自分の位置を把握できないので不安感や圧迫感を持つのだそうです.確かに,部屋の広さに対して聞こえる音に違和感があって,いままでに経験したことのない音と映像のずれ感が面白いです.あとは Tangible Bits の石井裕の作品を初めて触ったのですが,完成度の高さや面白さはさすがです.その他の展示はこちらから.
サウンドxイメージは9/2まで,OPEN SPACE 2007 は 2008年3/9まで開催です.いずれも入場無料.

MELTING POINT
MELTING POINT は 3人のアーティストがそれぞれ,オペラシティのアートギャラリーをそれぞれのインスタレーションの空間として作り上げた展示になっています.入ってすぐの大きなスペースは Jim Lambie によるインスタレーション.カラフルなビニールテープで埋め尽くされた床,カラフルにペンキをぶっかけられた像,その周辺はスプレーでカラフルに彩られている,鍵穴の形をした異世界への入り口,鏡の破片で覆われた椅子が壁にかけられている,その椅子からは鏡の破片で覆われたハンドバッグがぶらさがっている,不思議な世界,カラフルな異世界です.次の部屋はうって変わって真白な部屋,渋谷清道のインスタレーションが始まります.ここでは白いスパイログラフ(spirograph)が主な作品で,角を削って白くて優しい空間に時々飾られた白い文様はなかなかにファンタジーです.天井にさまざまなパターンで幾重にも重ねられたスパイログラフが見える部屋は自然光を取り入れて時間とともに少しずつ異なる色合いでなかなかです.白い部屋を抜けると大きな部屋の半分に宙空につられた白い膜,Ernesto Neto の部屋です.膜は腰の高さと頭の高さに2重に釣られていて,人はその下をくぐって通る必要があります.時々穴があいていて,二重膜の内部を覗いたり,天井を覗くことができます.でも内部を覗くときは天井は見えないし,天井が見えるときは内部を覗くことはできません.天井が見える穴にはいると膜と白い天井しか見えなくて身動きもとれない状態,外の世界は遠くてどちらを向いても同じ景色です.一方で中の様子を見回せばよく見えるのですが,逆に外の様子は全く見えない.自分が現実世界でおかれている景色のようだと思いました.結局のところ膜のうちと外の両方を見渡すのはなかなか難しいです.展示空間では膜の空間を体験している人を横から観察できます.これもなかなか面白いです.
3つのワンダーランドを体験する,というコンセプトだと思うのですが体験していろいろと考えることが面白いので,ぜひ体験することをお勧めします.
10/14まで,オペラシティアートギャラリーで開催中

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ねぷた祭り期間中に青森県立美術館に行ってきました.
注目の常設展を見ました.奈良美智が好きなので楽しみにしてましたが,期待以上によかったです.シャガールのアレコ,寺山修司,考現学,津軽じょんがらも.ここに一覧があります.
奈良美智の展示は,原美術館にもあったような部屋や,お花畑でうつぶせに寝ている女の子たち,そしてあおもり犬のインスタレーションが特に.部屋には奈良風な女の子の絵が壁にぺたぺた貼ってあって,机があって,本が並べられて,小物がいっぱい飾ってあります.本人が好きなものに違いないです.そういえば,黒田硫黄の漫画もあった.あおもり犬は残念ながら写真を撮ることができないのですが,なぜか後ろ姿の写真を撮りました.
シャガールのアレコは,常設展エリアの一番最初にある巨大な部屋の三面に飾られています.劇の背景に使われたものだからとても大きくて,約15mx9m くらい.第1幕,第2幕,第4幕で利用された背景だったのだそうですが実際の劇を見てみたい.
寺山修司の部屋は,四角い部屋の三面に寺山修司の映像作品が投影されていました.部屋の天井が高くて投影している壁の上部は広く空間があって,そこに寺山修司の短歌が.有名な「マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや」の文字パネルが飾ってあります.部屋に入って上から下まで見回して体験する展示でした.
常設展のジャンルは様々ですが,展示数は多くアレコ以外はなにかしら青森に関連しています.奈良美智人気で集客は結構ありそうと思うのですが,地方美術館として地元の人々の支援を得つつ運営が存続することを陰ながら応援します.


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MUSEUM OF TRABVEL(略してMOT) という組織が主催するキャンプ というイベントに参加してきました.キャンプでは社会学や美術,建築や都市研究等分野の若い研究者や社会人の講演と参加者のディスカッションがメインなイベントです.今回で7回目のイベントで過去のイベントのテーマをみると結構幅広くて興味深いです.MOTのwebではこのように紹介されています.
MOTのプロジェクトのテーマは「違った見方との出会い」です。
旅に出て、日常から遠ざかるにつれ、普段の自分にとってありふれたものが、
まるで初めて見るもののように見えてくる、
そんな経験を誰もが一度はしたことがあるのではないでしょうか。

MOTではミュージアムをツールとして、
展示だけではなくイベント、パーティー、ショップ、カフェなど
様々な角度から「違った見方との出会い」の提示を試みます。
(MOTのWEBより引用)
今回は,インディペンデントキュレータをしながら某印刷会社で美術館などのイベント事業に関わっている内山悠一さんがニューヨークでの留学経験をもとにミュージアムビジネスの現状について講演されました.MOMAMetPublic Art Fund, Creative Time, Flux Factory などNYの美術館や財団,NPOの紹介と各組織の資金調達方法,日本の美術館運営の現状と事例紹介など.アート・マネジメント系の本でよく語られる日米の美術館の運営方法,資金源の違いやファンドレージングなどなどを,NYでの最新情報を交えて話が聞けるというのはとても良かったです.
日本の場合は美術館の収入は入場料と地方自治体からの交付金に頼りがちになってしまうので,人気のあるコンテンツしか展示ができないというような話とか,AANでも一つの大きな問題としてとらえている日本のアートNPOのファンドレージングについての問題を参加者で共有し議論できる,というのは意義がありました.
ところで,セッション後の懇親会でMOTの鈴木さん(ロシアの視覚芸術の研究で博士課程在籍中)とAANの嘉藤さんがタルコフスキーの映画について熱く語っていたのが印象的.MOTが標榜する「違った見方との出会い」というのがいろんな側面で体験できてかなり満足でした.

ところで,MOTのメンバーがおすすめについて語る reviews はこちらもかなりマニアックで思わず読みすすめてしまいます.

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Chocolate @ 21_21 DESIGN SIGHT

吉野さんのお誘いで21_21 DESIGN SIGHT のチョコレート展に行ってきました.21_21 DESIGN SIGHT は 「デザインのためのリサーチセンター」ということで,ミュージアムとは少しおもむきが異なっています.安藤忠雄による建物は地上一階と地下一階の二階建てで,外からは大きな屋根が見えています.真ん中が天井のない空間になっていて,今回の展示ではチョコレートのアスファルトで塗り固められていました.
チョコレート展は深澤直人ディレクションの企画展で,誰もが大好きなチョコレートを題材に,チョコレートから世界を見てみようというものです.展示は,チョコレートをモチーフにしたデザインやチョコレートでできたオブジェ,パラドキシカルなものから直球なものまでいろいろ.チョコレートはやっぱりみんなが好きなものだから遊びの要素が大きくて,リラックスして楽しく見るという雰囲気.デザインが主体なので,森永や不二家,その他食品メーカーとの協同作品も多数ありました.そんな中印象的なのは,James Mollison の "Cacao Pickers"という数少ないシリアスな写真作品.カカオの栽培に従事するコートジボワールの人々の写真を大きなパネルで展示したもので,チョコレートは高価すぎて買うこともできないのだというコメントが印象的.あとは岩井俊雄のモルフォチョコ.巨大なチョコレートが高速回転していて,上からプロジェクターで投影された像によって残像が発生し,固形のチョコがグニャグニャに歪んでいくように見えるのがびっくりします.チョコレートの可塑的な特徴を捉えて表現しているのでしょうか.そういえば,いただいたチョコレートは家に帰ったら溶けてぺちゃんこになっていました.

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<生きる>展@横須賀美術館

2007年4月にオープンしたばかりの横須賀美術館に行ってきました.
横須賀美術館は観音崎の海が目の前に広がる最高のロケーションにあります.美術館の設計は山本理顕です.美術館の目の前はなだらかな芝生の坂,坂の向こうは道路をわたって海です.美術館の外観はほぼガラスで覆われていて,正面はレストランとミュージアムショップに占められています.レストラン Aqua Mare は 広尾にあるAqua Pazzaというお店の系列店だそうです.美術館は地下と地上の2階建てで,天井や横壁等さまざまなところから光が差し込む窓のある明るく開放的な空間です.展示は3つあって,4月27日のオープニングからやっている企画展の<生きる>展 (現代作家9人のリアリティ),所蔵作品を中心とした「近代日本美術を俯瞰する」展,そして谷内六郎(週刊新潮 表紙絵)展 です.

<生きる展>で印象的だったのは,まず石田尚志の手書きアニメーション"部屋/形態",かなり見入ってしまいました.実際に大学時代に住んでいた部屋をペンキで塗り一コマずつ撮影して,窓から入る光の移り変わりとともに部屋の中の宇宙が変遷する様子を表現しています.あまりにも気に入ったので,DVDお買い上げの予定です.石内都の写真 "INNOCENCE" は痛々しい手術痕を写真に収めています.なんとなく直視しにくい光景も写真になると正面から向き合うというのが新鮮でした.トらやんなどで有名なやのべけんじ"ミッキー・ザ・ナイト" はディズニーから制作を依頼されて作ったものの,趣向が合わないのでディズニーに断られたという作品.戦国時代の甲冑を着てねずみの兜をした像です.舟越圭の彫刻は大理石の目玉の美しさ,顔の美しさ,両性具有,妊婦,変なところから生えた手,メルヘンです.真島直子"密林の女"はリボンや花や毛糸などで飾り立てた倒錯感のあるトルソーで,何か臭いそうで好きです.そして,木村太陽"Big Mistake/Head-turner",これは衝撃的こわさです.人の形としては結構デフォルメしているはずなんですが,髪の毛の乱れ具合やポージングや体型がやけにリアルというか本物っぽい.その本物っぽさがいつ動き出すともしれない緊張感と相俟って非常にこわい作品に仕上がっています.森美術館の「笑い展」でも木村太陽の作品は見ましたが,明るいユーモアではなくブラックというかダークなユーモア,かなり鋭いセンスだと思います.
総括するとどのへんが<生きる>なのかと思うこともありますが,人間のあらゆる活動が生きることだと考えればなんの矛盾もありません.

なにより横須賀美術館のロケーションの素晴らしさ,開放的できれいな美術館,向かいには温泉施設,海に面して夜はかなり雰囲気の良さそうなレストランとアートな日帰り旅行には最適.


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昔の人がそうしたように,絵画によって人の感性を揺さぶろうとするのがこの人が絵を書く理由の一つだそうだ.ほとんどの絵は顔面かバストアップ,あるいは裸の全身像で常に人物が描かれている.笑顔は皆無で,アルカイックスマイルがせいぜい,あとは思慮に沈んでぼんやりしていたり,遠くを見て少ししかめていたり,つくらない表情がほとんど.写実的ではなく,顔形は適当だったり,顔のパーツはデフォルメされていたりする.でも表情がかなりリアルでこの表情に心が揺れる.そういえばマサトに言われた.「邪悪は凡庸である」私の母に似ていると.わたしはすぐ否定したけど,そうかもしれないと思った.モデルはたぶんマルレーネ・デュマス本人じゃないかな.企画展のブロークンホワイトというタイトルが気に入っていた.アラーキーの写真をモデルに描いた作品のタイトルだった.

ギャラリー小柳でも今マルレーネ・デュマス展をやっているようだ.こちらはより死があるようだ.


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ワタリウム美術館のブルーノ・タウトに行ってきました.地上4階の展示スペースがとても小さなワタリウム美術館です.2階は建築デッサンと建築物の写真や模型展示,3階はタウトが友人や家族に宛てた手紙,4階はタウトが手がけた日本の工芸品と熱海の日向邸中心.展示スペースは小さいのでどうしても展示は窮屈になってしまいますが,レイアウトやカラーがお気に入り.

2階のファンタジー満載な建築デッサンが非常に良いです.クリスタルハウス,アルプス建築,星の建築.フンデルト・ワッサーの時も思ったけど,日本のアニメーションを喚起させる要素があります.桂離宮について綴ったメモが展示されていました.このメモのとおりに歩いてみたい.

4階は一部が熱海の日向邸を模した造りになっていて,木の階段と赤い壁がきれい.ここは,タウト作の日本工芸品が多数展示されている.薄いガラスのデカンタというかトックリとグラス,流線型と漆の黒が美しい手つき鏡,木のナイフ,金色の塗りが美しい木の皿.木のチェアとのバランスが秀逸な漆のカフェテーブルなどタウトの優れた審美眼が光る品ばかり.同じクオリティでレプリカ作らないかなあ.


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ART LAN@ASIA〜アジアの新☆現代美術!!

キュレータはアートとエロスと育児の革命!の増山麗奈です.その名のとおり,アジアの現在美術の一部を見ることができてたいへん面白かったです.特に激動の中国のアーティストによる作品は,そのスケールや,時代の変動を作品から伝わってくるような作品で考えさせられます.
Cao Feiの人民コスプレシリーズはよくある中国の風景の中にアニメのコスプレイヤーがいるという写真で,単純に面白いです.ソン・フーロン(Sun Furong,孫芙蓉) のずたずたに切り裂いたスーツの群像には圧倒されました.ソン・フーロンが極貧だった時代に金持ちに食べ物が欲しかったら踊れと言われた体験が制作のモチベーションになっているらしいです.そんな体験がすごいなあ,中国.以下,アーティストの印象的な言葉.
「人間の体というのは,毎日フォアグラを食べるようにはできていませんし,そんなにたくさんの贅沢な服もいりません.今の中国は欲望が内側から破裂しそうなほど膨れ上がっています.病気なのです.」(孫)
高峰格の「ベイビー・インサドン」は日本人と在日朝鮮人2世の結婚式の様子を写真と言葉で綴る物語.国とは何か?アイデンティティについて考えさせられる作品.東田理恵子は絵と部屋の壁が一体化するように一室をまるごとアートに仕立て上げていて面白い.

アジアの国々はこうして世界を見据えて生きているのに日本はどうだろうかと少し考えてしまう.
時間が足りなくて全部見切れなかった.また行こうと思って行けなかった.ああ,残念.


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AAN スタジオオープン!

私がボランティアとして所属しているAANというNPOの事務所がこのたび横浜関内にオープンしました.今日はそのオープニングパーティがあってお手伝い&参加してきました.

パーティには,東京の野方のアートスペース・アブラウリから根橋さん,AANと事務所をシェアするアーティストの横山飛鳥さん,展覧会情報誌「etc.」を発行している言水さん,徳島県神山でアーティスト・イン・レジデンスをされていた内山睦さん,2009年の開港記念150周年祭のプロデューサーの小川さん,つながりデザインの清原さん,2007年2月のAACのイベントSHOWCASEでもいっしょにボランティアした境田さんとそのお友達,SHOWCASEのイベントでとても熱いセッションを見せてくれたショウカセさんとイルカの調教師のたまごの彼女,AANに興味をもって参加してくれた中村さんなどなど.まだまだたくさんの人が来てくれました.昼の14:00から開始して,ひたすらいろんな人としゃべって飲んで食べて,楽しい会でした.嘉藤さんのちらし寿司と大友さんの野菜ピクルスがおいしいです.
今後,事務所の一区画の畳の間を使って横山さんが制作をされるのですが,非常に楽しみにしています.


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やなぎみわのエレベータガールたちの巨大な写真,ソフィ・カルのフランス語の文書付きの写真,イケダレイコの絵と彫刻,塩田千春の泥の沐浴.巨大な写真は内容がなんであれ好きです.やっぱり高解像度フェチなのかもしれない.ソフィ・カルの写真は面白いです.でも気になったのはイケダレイコ.「横わたる少女」や陶の彫刻は,不安や怖さや気持ち悪さがあるのですが,惹き付けられるなにかが私にはあります.諸星大二郎と似ているというと語弊がありますが,そういった気持ち悪さ=魅力です.

「リアルのためのフィクション」というタイトルが気になったのですが,作品をみただけでははっきりわからず,パンフレットを読んで意図を理解しました.「リアル」なものを理解するのが難しくなってしまった世の中で,「リアル」を感じるために,あえてフィクションをしつらえるアートということらしいです.でも,考えてみたらアートってすべてそういうものじゃないでしょうか.素晴らしい展示会でアートを見た後に違って見える世界って,まさにリアルな世界だと思いました.ところで,ピンク色のパンフレットがかわいい.


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アートフェア東京 2007

いしたにさんのお誘いで「アートフェア東京2007」のプレビューに行ってきました.アートフェアとは全国各地のギャラリーが一同に会して行う見本市で,その場で作品が購入できます.

プレビューだったこともあり,会場は買いに来た業界人の商談モードな雰囲気をぷんぷんさせていて,なかなかゆっくりみるのが難しかったです.そんな中で印象的だった作品で覚えているもの.
彌生画廊の小杉小二郎のオブジェ.カイカイキキの小出茜はライブペインティングをしていたのですが,この春高校に入ったばかりの15歳!驚きました.あとは混みすぎてじっくり見れなかったけどギャラリー小柳(野口里佳?)やSHUGOARTS(このリンクブラウザのリサイズやめてくれ...)がよかったような.


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嘉藤さんのお誘いでZAIM本館屋上でのコンテンポラリーダンスの公演を見てきました.空間構成はAAPAという団体(といっても二人組らしいです)がやっていて,パフォーマンスは永井美里,酒井幸菜他2名の全部で4名です.

会場は屋上なのですが開演前は暗幕で客席が覆われていて,ZAIM屋上から本来見えるはずの風景は見えません.開演と同時に暗幕が取り去られると,目の前には大きな空と横浜公園の木々の緑,遠くには関内や伊勢佐木町のネオンが見えます.舞台は板張りで1m間隔くらいそこに横一列にたたずむ4人の女性,夕暮れの空と同じグレイの洋服を身にまとい,ただ前を見ています.この光景がかなり印象的で,引き込まれてしまいました.そして,静かに始まるダンスは,永井美里の痙攣によっていきなり緊張感を高めます.

パフォーミングアーツとしてのダンスは初めて見ました.「LF」の会場構成が特に印象的で,幕開けのシーンから徐々に日が暮れて行くにつれ,床のライトやLED?のキラキラしたライトがシーンに応じて利用されていてきれいでした.それに,今回の会場は客席と演壇との距離が近かったので,ダンサーの細部へのこだわりや息づかいも見えて面白いです.

4月でも結構寒くて,毛布の貸し出しとホットワインの販売があり,講演後には暖かいお茶のサービスがありうれしかったです.


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てつそん2007

ZAIM でやっていた てつそん2007に行ってきました.てつそんとは,日本全国のデザイン・芸術・美術・建築系の学生有志による合同卒業制作展だそうです.この時期,デザインや美術建築系大学の学科ごとに卒業展がいろんなところで開催されていますが,てつそんは結構大規模なもので,かつ有志による展示会なので期待して行きました.車などのプロダクトデザインや建築模型,デザイン小物やアイデア系,イラスト,インスタレーションなどなど内容はバライティに富んでいます.駆け足だったのであまり覚えてないのですが,背もたれ部分をぐるっと回転するとテーブルになるいすはデザインもいいし使いやすそうでした.あとは,笑顔の似顔絵を集めた破顔採集もイラストがよいです.

期待していたのとはちょっぴり雰囲気が違って,成果発表というよりは文化祭的な色合いが強い気がします.私が行った時間帯がたまたまそうだったのかもしれませんが,見に来てる人が学生ばかりだったのはちょっと残念.数十ページはあるようなパンフレットを無料配布していて,てつそん参加者の顔写真とメッセージが載っているのですが,自己紹介文はもっとアピールしろヨ!と思いました.せっかくの大規模展示なんだし,もっといろんな人が見に来るようにプロモーションすべきでしょう.そういったアドバイスをする大人がついていればもっと良いものになると思います.

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雰囲気が良いと評判の原美術館に初めて行って来ました.品川御殿山の閑静なところに位置し,庭に面したガラス張りのカフェや白い漆喰?の外壁,建物は小さいながらもデザイン的に細かく凝っていてすてきなところです.今回はアドリアナ ヴァレジョン というブラジルの女性アーチストの個展です.

この人の作品はカルティエ財団コレクションで見たことがありました.白いタイルの割れ目から肉や血が見える作品です.タイルと血肉系の作品や世界地図やカンバスの切れ目から血肉があふれる立体作品は今回の展示でもいくつかありました.結構グロいです.プールの油絵はよかったです.ハンガリー人,夢見る人.プリンセスなど作品によって名前があり,形などのバリエーションがありますが,どれもタイルのプールに水が張ってあって,水が揺らめいてタイルの線がぐにゃりと歪んでいる絵です.庭にも新作のタイルに植物のイラストを描いた作品が展示されていました.他には,中国の水墨画風の景色の中にギリシャ神話みたいな人やインディアンや中国人や貴族がいて乱交するちょっと不思議な絵のシリーズがありました.全部見終わって気持ち悪くなりました.でもこの気持ち悪さはきっとアーチストの才能であり,主張なのかとも思います.視覚的な気持ち悪さにくわえて心理的な気持ち悪さもあるようです.なんだかよくわかりません.

アドリアナ ヴァレジョンの作品に混じって,常設?のインスタレーションもいくつか見られるのですが,それも面白いです.


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Y INNOVATION 2007

ZAIMで開催中だった Y INNOVATION 2007 にふらりと足を運びました.土曜日の風の強い夕方,ZAIM別館はただでさえ入り口が地味でなかなかに入りにくい雰囲気,その上入り口のサインの目立たなさに一瞬やってないかと思いました.
チームラボによる水墨画を3Dに再構築して表現したアニメーションの花紅(ハナハクレナイ)は素晴らしいです.スヌーピーもいい雰囲気.横に五個並べたディスプレイでの横長な画面での表現と水墨画を3Dにしてしまうというのがとてもおもしろい.メディア芸術祭でも見たSFCの植木さんの花のライト[Fleur].メディア芸術祭よりも会場が暗くて幻想的な雰囲気がすてきです.液晶のないフレームのデジカメ[Howdy?]もありました.それから,LEDライトの[grass],UMPC, スピーカーなど.いままでどこかで発表されたものだからかもしれませんが,だれもいない展示会場で,ゆっくり見ることができたのがよかったです.ハナハクレナイは何度も見たいので映像が欲しい...

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フンデルト・ヴァッサー展@日本橋三越

日本橋三越で2週間だけの展示.閉店まぎわの45分くらいでざっくりと見ました.
1990年代の作品は浮世絵みたいだなあと思ったらやはり歌麿北斎に影響をうけていて,日本の原画師,彫り師,刷り師に頼み込んで版画の制作をはじめたのだそうです.ちなみに日本での号は百水だそうです.メタルを使った光る絵はきれいでよかった.
自然環境破壊に反対し,そのマニフェストとしても描かれる絵は森や公害の街,人などがモチーフです.劇画的な雰囲気もあり発想はSF的,日本の漫画やアニメーション(宮崎駿、大友克洋、諸星大二郎など)を連想させます.建築もおもしろいです.大阪のゴミ処理場のデザインにびっくり.



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文化庁メディア芸術祭に今年も行ってきました.印象で言うと去年のほうが面白いのが多かったかも?去年はメディアアート系のイベントいろいろ行ったから単純に知ってる作品が多いかっただけかもしれないけど...ちょっと物足りない.

印象に残った作品

大賞の Imaginary・Numbers 2006 はモノクロの点描による美しいコンピュータグラフィックスの映像です.説明によると[非線形数理モデルをベースとする有機的また生物的ダイナミクスをテーマとした作品]らしいです.作者の木本圭子さんのサイトの Imaginary Numbers のMovieと flash の教材を使ってImaginary Numbers に関連する数学とビジュアルプログラミングを解説するProcess は必見.

front はドイツのJohanna REICHによる映像作品.リンク先に飛んだら画像にちょっとびっくりするかも.カメラに向かってボクシングする女性,モノクロの映像,繰り返される意味深な言葉,ちょっとゴダールちっく.サウンドとともに現れる顔の痣と爪の赤さが印象的.

おはなしの花は日常的な会話にアニメーションを付けてファンシーな絵本ふうになった映像作品.アニメーションの作成がリアルタイムに自動で生成されてこの完成度なら感動もののノーベル賞ですが,さすがにそうはいきません.[時をかける少女]がNYで話題らしいですが,ここで初めて知りました.アクリル板に油絵で描いてアニメーションを作成するロシアのアレクサンドル・ペトロフの作品は見逃していましたが,ここでトレーラーが見れます

コーネリアスのfit song のPVすてき.たまたま見つけたアレクサンドル・ペトロフのビデオと趣向が似てるかも.tablescape plus は テーブルトップのディスプレイ上に小さなディスプレイオブジェクトを配置してその置いた場所や他のオブジェクトとの関連性に応じてその小さなディスプレイに表示する内容を変更できるようなシステム.こういうアイデアは結構むかしからありますが,アニメーションのかわいらしさがよいですね。素数ホッケーなかなかですか,PainStationにはおよばないなあ.リズムズムはVJのインタフェースにマラカスを使うというとても直感的でナイスなアイデアですが,なんでデモがないんだ!と心から思います.SFC稲陰研の作品ということでなんとなく事情はわかるけどような気もするけど,残念.

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