[Event] ビル・ヴィオラ: はつゆめ

六本木ヒルズの森美術館で開催中の ビル・ヴィオラ: はつゆめ に行ってきました.
ビル・ヴィオラ
ビル・ヴィオラはビデオアートの第一人者だそうです.ナム・ジュン・パイクのアシスタントの経験もあるのだそう.今回展示されている作品のほとんどは,数十秒の出来事をスローモーションで撮影し数分から数十分の映像に仕上げられたものです.ふとした出来事,あるいは人の激しい感情表現の移り変わり,そういったシーンを現実生活では見ることのないほどのスローモーションで表現されたことにより,本来はありえなかった瞬間を体験し,新たな見知が得られるという作品です.例えば,ドロローサ[Dolorosa] は写真立てのような二面のモニタにそれぞれ悲しみにくれる男女の映像が映し出されています.スローモーションの映像なので写真に近いです.それぞれはただ泣くだけなのですが,スローモーションだと表情や首の角度,視線の微妙な変化あるいは涙の落下を見ながら,実時間の映像ならば絶対に思いつかないようなことをいろいろと考えるのです.それが新鮮で面白いのです.また,スローモーションによって炎や水が幻想的な美しさで表現されるのも素晴らしいです.
クロッシング[The Clossing] は 4m もある巨大スクリーンの表と裏それぞれに,炎に包まれる男性と水というか滝に打たれる男性の映像が映し出されます.男性は激しい炎や水に包まれてほぼ同時に消えてしまいます.炎のゆらめきやキラキラと輝く水滴の美しさが印象的です.ミレニアムの5天使[Five Angels for the Millennium] は 5つのスクリーンに5人の天使がそれぞれ水に沈む(あるいは巻き戻して浮かび上がる)シーンを映し出すインスタレーションです.ここでは,ゆらめく水面や水泡が美しく表現されています.他にも,幾重ものベールに前後から別々に投影された映像作品のベール[The Veiling] や老若男女の手が表現する宗教的文化的ないろいろな手のふりをする四人の手[Four hands] が印象的でした.

杉本博司
ビル・ヴィオラとは関係ないのですが,ちょうど一年前に森美術館で杉本博司の「時の終わり」を見ました.とても素晴らしい展覧会で,これがきっかけで美術館に頻繁に通うようになりました.その「時の終わり」のカタログを森美術館のミュージアムショップで発見してしまいました.なんと6000円もするのですが,同じものがハードカバーだと15000円,しかもソフトカバーはそこでしか販売していないということで購入してしまいました.でも買ってよかった.ビル・ヴィオラ同様,杉本博司の作品は写真によって本来的には目には見えないなにかを表現しています.例えば時間とか.杉本博司の作品は知性を刺激すると何か書かれていましたが,まさにそんな感じで面白いのです.そして美しい.

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4 comments:

Unknown said...

え〜、普通に買っちゃった?
今度から森美術館で何かを買うときはぜひ私に言って下さい!少しだけディスカウントが利きます

acco said...

今回はICCのコネクティングワールドのチケットを見せて割引がききました〜.でも12月にヴィオラチューズデイというイベントでまた行く予定なので,そのときお願いします〜

Unknown said...
This comment has been removed by the author.
Unknown said...

そういえば、これ知ってる?
行かない?
http://www.gallerykoyanagi.com/exhibition.html

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